遠隔透視(リモート・ビューイング)で馬券を当てて儲けた人たちとそのやり方について紹介します。
ここで紹介する事例は、チームを組んで「連想リモート・ビューイング(ARV)」を使用するものです。現在では一人でPCの助けを借りて簡易的なARV法を使うのが主流になっています。

連想リモート・ビューイング(ARV)は、リモート・ビューイングの1種で、スポーツの勝敗予想や株価の予想など、イベントの将来起こる結果について、限られた選択肢から予測するものです。詳しい方法は「ARV(連想リモート・ビューイング)とはなにか」を参照してください。
この記事は発表されている資料に基づいて、今まで行われてきた遠隔透視による競馬予想実験の結果を簡単にまとめたものです。競馬を勧めるものではありません。
ARV以前~インゴ・スワンでも馬券は当たらなかった
「リモート・ビューイングの父」インゴ・スワン(Ingo Swann) も、1973年と 1984年に競馬の結果の予測を行っています。
インゴ・スワンの何ページにも及ぶ検討内容のメモは、ウェスト・ジョージア大学にある「スワン・アーカイブ」に残っていますので、それを見ると…
1973年の予測で、第1レースから第9レースまでのレースで、1着から3着までの馬の名前を記したメモが残されていますが、該当していないようです。
インゴ・スワン は、勝つ馬の名前を透視したかったようですが、まだこの時の彼は CRV(Controlled Remote Viewing:コントロールされたリモート ビューイング )の手法を開発していなかったことが、失敗の要因と考えていることがわかります。
ステファン・シュワルツによるARVによる競馬の結果予測の始まり
ステファン・シュワルツ(Stephan Schwartz)は連想リモート・ビューイング(ARV)の開発者です。
彼がARVを使って競馬の結果を予測したのは、1977年9月9日 ロサンゼルスのハリウッド パークでの第6レースのものです。
彼はスタンフォード研究所(SRI)の研究員エド・メイと2人の女性リモートビュアー(1人は経験豊富なヘラ・ハミッド、もう1人はリモートビューイングを始めたばかりのネディ・ペナ)と一緒にロサンゼルスにやって来ました。
ビュアー2人は、「明日の午後4時30 分に、どこかに立っています。すべての感覚印象を使用して、自分がどこにいるか説明してください」というタスクを与えられました。
すると、第6レースで6番目の馬に関連付けられたイメージをはっきりと選択したので、みなで競馬場に行って2ドル賭けたところ、目当ての馬が勝って、14ドル儲かりました。
エリザベス・ターグ による連想リモート・ビューイング(ARV)実験
リモート・ビューイング研究の重鎮であるスタンフォード研究所のラッセル・ターグ(Russell Targ)の娘 エリザベス・ターグ(Elisabeth Targ)は、1980年に2つの 連想リモート・ビューイング(ARV)実験を行っています。彼女にも優れたリモート・ビューイングの能力があったようです。
1つは、1980年の大統領選挙の勝者を予測するもので、4つの選択肢から(後に正解とわかる)レーガンの勝利を選ぶことが出来ました。
もう1つが、サンフランシスコ郊外にあったベイメドウズ競馬場での第6レースでの勝ち馬予想です。
レースの前日に実験が行われました。
出走馬には番号が付けられ、その番号に対応する物体が割り当てられています。
彼女は、リモート・ビューイングのセッションに入ると、「硬くて球形の」ものをが見えると言い、「光にかざすと、透けて見える」と言いました。
彼女の説明は、6番の馬に割り当てられていた「球形のリンゴジュースのボトル」をたいへん正確に言い当てていました。
それで、シャンゴという名前の6番の馬に賭けることになりました。
翌日のレースで、シャンゴは勝利して、彼女のリモートビューイングを信じて賭けた人たちは6倍の配当を得ることが出来ました。
トム・アトウォーターの競馬予想
連想リモート・ビューイング(ARV)による競馬予測実験で、もっとも注目されるのは、2006年から現在までARVの試行を続けているトム・アトウォーター(Tom Atwater)です。
米国の物理学博士のトム・アトウォーター(Tom Atwater)は、競馬の他に、FX(外国為替取引)やスポーツの試合の結果予測を精力的に行っています。
彼は、自分の研究について、直感的な方法を金銭的利益のために適用することを目的にしており、そのためには自分がやっていることは得意だと自分に言い聞かせ、リラックスしてすべてを楽しむことが重要だと述べています。
彼の予測は、ヒット率(的中率)よりROI(投資利益率)を重視しています。

連想リモート・ビューイング(ARV)による競馬予想
2006 年から 2007 年にかけて、トムは連想リモート・ビューイング(ARV)によって109のレースを予測して利益を出すことを試みました。
トムの方法は、簡単に言うと以下のようなものです。
1)PHP(主にWeb開発に使用されるかんたんなスクリプト言語)で作成した独自のプログラムを使って、Google画像からランダムに引っ張った画像とレースの出走馬を自動的に関連付ける。
2)何も知らされていないリモート・ビュアーに、レース当日のことをスケッチしてもらう
3)1)と2)を照らし合わせて、画像が一致した出走馬の馬券を購入する
一方で、トム自身は競馬予想の長年の経験があり、論理的に組み立てて勝ち馬を予想します。
結果は、以下の通りとなっています。

理論値では、該当するレースの平均出走数は8.7頭ですので、1/8.7 で的中率は11%程度です。回収率(投資したお金に対して返ってくるお金の割合)は当時の米国競馬のテラ銭が18%(日本は例外を除いて25%)ですので、82%となります。
これに対してARV予測では、109レース中25レースに的中(的中率 23%)、回収率は230%となっており、投資した1ドルあたりの利益ROIは1.3ドルとなっています。
トム自身の論理的予測は、111レース中42レースに的中(的中率 38%)、回収率は129%で、投資した1ドルあたりの利益ROIは0.29ドルとなりました。
また、論理的予測とARV予測で勝つ馬が一致した場合は、対象は14レースと少ないのですが、的中率64%、回収率は278%、ROIは1.78ドルです。
以上の通り、ARV予測では、的中率は論理的予測に劣りましたが、よりオッズの高い馬を選んでいますので回収率が高く、ROIは論理的予測の4倍以上になっています。
ARV以外の直感的な方法による競馬予想
上に紹介したトム・アトウォーターのARVによる競馬の予測実験は、かなりの成果をあげました。
さらに、論理的予測と組み合わせれば、より安定して収益が上げられる可能性がありそうです。
しかし、他の人に透視を依頼したうえで、たくさんの画像を提出してもらい、画像と一致した該当する番号の馬券を買うというように、ARVを使う方法は他人まかせのうえ、手間がかかります。
そこで、トムは論理的な予測にARV以外の直感的な方法を使用して競馬の結果を予測しました。
これは1人で完結できる点が大きなメリットです。
2015 年から 2016 年にかけて、961 レースで実験を行っています。
最初の3カ月は大成功でした。
297レースを予測し、回収率 142%(ROI +42%)で、2万ドル(約300万円)の利益を出しました。
しかしながら、以降は回収率は徐々に低下して、最終的には 109%(ROI +9%) の回収率に終わっています。
これは、超心理学でよく知られている衰退効果を示している可能性があります。
ひと月に100回も直感判断を続けていたら、4か月後には厭きてしまったのは十分にあり得ることです。
衰退効果に注意しながら行えば、トム・アトウォーターの「論理的な予測+直感的な方法」の組み合わせはかなり有効だと考えられています。
トムの「論理的な予測+直感的な方法」の具体的なやり方は別途紹介しますが、論理的予測には、自分の予測に代えて、予想会社の予測を使っていて、そこにも予測が尻すぼみになった原因があるのでは、と管理人は推測しています。自分で論理的思考をしながら、同時に、直感を働かせることが正しく直感を使う方法ではないでしょうか。
テレサ・フェンドリーの競馬予測
テレサ・フェンドリー(T.W. Fendley)は歴史ファンタジーとSF小説を書いていて受賞歴もある作家ですが、RV(リモートビューイング)の研究者としての活動も知られています。
テレサは、ヘミシンクで知られるモンロー研究所でARVについて学び、以降ARVのグループを組織して、競馬、スポーツ予測、FX 取引で多くの成功を収めています。
テレサはトム・アトウォーターともしばしば一緒にプロジェクトを行っています。
が、トムほど競馬の論理的予想に長けているわけではなく、結果より方法の妥当性を重視していてるせいで、予想しても賭けなかったりして、競馬で儲けを追及する姿勢についてもROIを前面にうたうトムより甘いと言えます。しかし、多くのリモートビューアーを組織して、重要な実験を行っておりますので、彼女の業績は高いものがあります。
二者択一によるARV競馬予測
ARVは、先に述べているように、基本的に二者択一のどちらかを選んで儲けるための手法です。
しかし、競馬では1つのレースに5頭から18頭の馬が出走するので、単勝馬券を買う場合も、そのなかから1頭を選ぶ作業はたいへん煩瑣で分かりにくくなります。そこで、ARV本来の二者択一にした予測をテレサたちは行っています。
方法は、予想1番人気の馬と他の馬のどちらが来るかというものです。
これはある意味で論理的予想とARV予測の組合せと言えます。
この実験は、2017年から2020年までの4年間、42人ものビュアーを組織して行われました。
結果は、勝利予測が得られた354回の試行のうち、176回が的中、的中率は49.7%でした。→ 不成功
しかし、この実験には、ARVで重要な「結果と画像の関連付け」に不備があり、また42人ものビュアーを使うことで(意欲や技量に大差があるのに同等に扱うという)かえって妥当性を欠いたやり方であったことが分かっています。
直接直感(DI)を使って、勝ち馬の色を当てる
日本では、競馬の出走馬の枠は色を結びついています。
それぞれ1枠=白、2枠=黒、3枠=赤…と決められていて、騎手はその色の帽子をかぶります。
米国競馬では、出走馬の鞍布(ゼッケン)の番号ごとに色が決まっていて、#1 は赤、#2 は白、#3は青、#4は黄、#5は緑、#6は黒というようになっています。
色はイメージしやすいこともあって、直接直感(DI:Direct Intuition)プロトコルを使って、競馬の結果を予測する実験を2017年から2020年までテレサは行っています。
直接直感(DI:Direct Intuition)プロトコルは、写真ではなく色を使用するARVの一種です。
2017年から2020年まで、テレサは26人のビュアーのグループを率いて、直接直感(DI)プロトコルを使用して競馬の結果を予測しました。
結果は、694のレースで試験され、的中率は11.2±1.2% でした。該当するレースの平均出頭数は10頭強で、ランダムに予測した場合の理論値は10.4% でした。これは統計的に有意ではなく、この手法の有効性は認められませんでした。
まとめ
連想リモート・ビューイング(ARV)を使って、馬券を当てる実験の代表的な事例を見てきました。
論理的な予想と組み合わせることで、馬券の的中率を上げることはできそうですが、連想リモート・ビューイング(ARV)はもともと二者択一の状況で行われるものなので、競馬に応用するにはかなり煩瑣です。
今は、連想リモート・ビューイング(ARV)をベースにして、より簡単に行える、改良した手法が試されています。
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