前にディーン・ラディン博士(米国ネバダ大学)が、「私たち人間の神経系は画像を見る数秒も前に、画像に対して反応している」ことを明らかにしたことを紹介しました。
実験では、参加者は「感情を強く揺さぶる画像(凄惨な事故や性的画像など)」を見る数秒前に、主に汗をかいたりするときに現れる皮膚電気反応が現れました。が、穏やかな画像を見る前には、そういった反応は出ませんでした。


今回は、さらに進んだ3つの実験について紹介します。
トレッソルディ の実験~直感が当たっているときは事前に心拍数が増えている
イタリアの名門パドヴァ大学 一般心理学 のP.E. トレッソルディ教授が、2005年12月に発表された「直感的課題におけるターゲット(標的)と非ターゲット間の心拍数の差異」と題する科学的研究を発表しました。
実験で参加者は、心拍数を測りながら、コンピュータによってランダムに配置される画像がAとBどちらにあるか当てるという直感的課題に臨みました。
すると
外れ(非ターゲット)を選択した場合には、心拍数は上がらなかったのですが、
当たり(ターゲット)を選択した場合には、(選択する前に)心拍数が有意に上昇しました。
このように直感が正しく働いているときは、心臓が反応していると考えられます。
ダリル・ベムの実験1~人は未来の感情を予知している
コーネル大学名誉教授ダリル・ベム博士は、心理学の世界的権威です。
2011年 ベムは「未来を感知する(Feeling the Future)」という論文を発表しました
ベム教授が行った実験では、100人の学生(男女各50人)を対象にコンピュータ・クイズを実施しました。
実験では、全面的にコンピューターを使用しました。
コンピュータ画面に2枚のカーテンの画像が表示されます。
一方のカーテンの背後には画像があり、もう一方の背後には何もない壁があります。
学生は画面を見ながら、どちらのカーテンの背後に画像があるかを予測します。

カーテンをクリックするとそれが開き、背後にあるものが表示されます。
そしてコンピュータは、学生が正解のカーテンをクリックしたかどうかを記録します。
画像の総数は36枚で、その中には露骨に性的な画像(合意の上での性行為を行うカップルなど)もいくつか含まれていました。つまり、2枚のカーテンがあり、一方の背後には壁、もう一方の背後には画像があるという状況です。
コンピュータはランダムにカーテンを表示するようにプログラムされているため、学生が正解を選ぶ確率は半々(50%)になると予想されます。
しかし、ベム教授はある興味深い事実を発見しました。すべてのセッションを通じ、性的な刺激画像が表示された場合の正解率は53.1%に達したのです。
一方、性的な画像ではない写真が表示された場合の正解率は49.8%にとどまりました。
ベム教授が実験を繰り返しても、同様の結果が得られました。
これに対するベム教授の説明は、「感情は時間に縛られない」というものです。
学生たちは、未来に表示される画像が特に興奮を誘うものであることを予知していたのです。
この実験の結果について、理論値である50%が53%とちょっと増えただけ〜偶然に過ぎないと思われる方もおられるかもしれません。しかし、コインを3600回投げて53%以上表が出るのは、確率としては約0.016%〜0.017%となるので、1万回やって1回か2回しか起こらないというたいへん珍しい現象です。
ダリル・ベムの実験2~未来の記憶が過去の記憶に影響している
テストの前に勉強すれば、成績を上げることができますね。
が、テストが終わった後に勉強しても、成績を上げることができると言ったら、どう思いますか。
上のダリル・ベムの論文で示された9つの実験のうちの1つが、この問題を扱っています。
100人の学生に単語の記憶力テストを行った後で、学生たちはコンピューターが無作為に選んだ単語に目を通してコンピューターに再入力するように求められました。
すると驚くべきことに、テスト終了後に目を通し再入力した単語の方が、そうでない単語よりも明らかに正答率が高かったのです。
『Psychology Today』誌のメリッサ・バークリー氏は、この事後学習の効果の大きさ(効果量)は平均して0.20(範囲は0〜1)であると述べています。
この0.2という数値は、
- カルシウム摂取と骨密度
- 受動喫煙と肺がん
- コンドーム使用によるHIV予防、など
と同程度の効果であるといえます。
ベム教授の理論は「時間が漏れ出している」という概念に基づいており、未来が現在へと滑り込んでくると考えられています。
これは「時間逆転」による予知の証明につながります。
ベム教授の論文は激しい反対論をもたらしました。
未来の記憶が過去の記憶に影響するなら、いままで積み上げた心理学の実験はすべて無駄になってしまうからです。
心理学の大御所たちが先頭に立って、この実験の無効性を主張し、再現実験で再現しなかったとしました。しかし、彼らの実験のほうがベム教授の手法より、穴があるものであったことが指摘されています。
感想とまとめ
今のところダリル・ベムらによる一連の予知研究は、「予知の存在」を科学的に確定させたとまでは言えません。しかし予知の可能性を主流科学の立場から示したことは大きいです。
さらに研究が進めば、より高い確率で予知を的中させる方法がわかってくると筆者は考えています。
とくにリモートビューイングの実験結果を分析することで
- 論理的思考や思い込みに邪魔されない直感の使い方
- 栄養(アセチルコリンなど)
- 脳波(シータ波、ガンマ波など)の誘導
- 心臓と脳との同調(コヒーレンス)
- 直感が当たりやすい天気や時間帯、など
が明らかになりつつあります。
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